「フリースクールに通った後はどうなるの?」
「高校や大学へ進学できるのだろうか」
「将来的に就職はできるの?」
フリースクールの利用を検討している保護者の方の中には、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
学校以外の学びの場であるフリースクールについては徐々に認知が広がっている一方で、その後の進路については十分に知られていない部分もあります。
しかし実際には、フリースクールを卒業した子どもたちはさまざまな進路を選択しています。高校へ進学するケースはもちろん、大学へ進学したり、自分の得意分野を活かして就職したりする人も少なくありません。
大切なのは「学校に通っていたかどうか」ではなく、「その子に合った環境で成長できたかどうか」です。
この記事では、フリースクール卒業後の主な進路や実際によくある進学・就職の事例について紹介します。
フリースクール卒業後の進路は一つではない
まず知っておきたいのは、フリースクールは最終学歴ではないということです。
フリースクールは学校教育法上の学校ではなく、あくまで学びや居場所を提供する民間施設です。
そのため、フリースクールを利用した後は、それぞれの希望に応じて高校や大学への進学、就職などの進路を選択していきます。
近年は多様な学び方が認められるようになり、不登校経験者やフリースクール利用者に対する理解も広がっています。
その結果、進路の選択肢は以前よりも大幅に増えています。
最も多い進路は高校進学
フリースクール利用者の進路として最も多いのが高校進学です。
高校進学といっても、その選択肢はさまざまです。
通信制高校へ進学するケース
近年特に増えているのが通信制高校への進学です。
通信制高校には以下のような特徴があります。
- 自分のペースで学習できる
- 毎日通学する必要がない
- 不登校経験者が多い
- 多様なコースが用意されている
- 大学進学にも対応している
フリースクールで自信を取り戻した後、自分に合ったペースで高校卒業を目指すケースは非常に多く見られます。
進学事例
中学時代に不登校を経験し、フリースクールへ通っていたAさんは、人間関係への不安が強く全日制高校への進学に迷っていました。
そこで通信制高校を選択し、自宅学習を中心に高校生活をスタート。徐々に登校日数を増やしながら学習を続け、無事に高校卒業資格を取得しました。
全日制高校へ進学するケース
フリースクール利用者の中には全日制高校へ進学する人もいます。
フリースクールで学習習慣を取り戻し、受験対策を進めることで志望校への進学を実現するケースも珍しくありません。
最近では不登校経験者を積極的に受け入れている高校も増えています。
進学事例
中学2年生からフリースクールへ通い始めたBさんは、学習支援を受けながら受験勉強に取り組みました。
当初は勉強への自信を失っていましたが、少しずつ学力を伸ばし、希望していた公立高校へ進学しました。
定時制高校や高等専修学校へ進学するケース
全日制高校や通信制高校以外にも、定時制高校や高等専修学校という選択肢があります。
特に将来やりたいことが明確な場合は、高等専修学校を選ぶケースもあります。
- 美容
- デザイン
- IT
- 調理
- 福祉
など、専門的な分野を学べることが特徴です。
フリースクールから大学進学は可能?
保護者の中には、
「フリースクールに通っていたら大学進学は難しいのでは?」
と心配する方もいます。
しかし、実際には大学へ進学している人も数多くいます。
通信制高校から大学へ進学するケース
現在は大学進学に力を入れている通信制高校も増えています。
大学受験対策コースを設置している学校もあり、一般的な高校と同じように受験勉強を進めることが可能です。
進学事例
中学校時代に不登校となりフリースクールへ通っていたCさんは、その後通信制高校へ進学しました。
高校では自分のペースで学習を続けながら大学受験に挑戦し、希望する大学への進学を実現しました。
総合型選抜や学校推薦型選抜を活用するケース
近年は大学入試制度も多様化しています。
学力試験だけではなく、
- 面接
- 小論文
- 活動実績
- 自己PR
などを重視する入試方式も増えています。
フリースクールでの活動経験やボランティア経験、探究活動などが評価される場合もあります。
就職という選択肢もある
進学だけが進路ではありません。
高校卒業後や専門教育を受けた後に就職する人もいます。
得意分野を活かして働くケース
フリースクールでは子どもの興味関心を尊重した学びを行うことが少なくありません。
その結果、自分の得意分野を見つけるきっかけになることがあります。
例えば、
- プログラミング
- イラスト制作
- 動画編集
- デザイン
- ものづくり
などのスキルを磨き、将来的な仕事につなげるケースもあります。
就職事例
フリースクールでパソコンに興味を持ったDさんは、通信制高校卒業後にIT系専門学校へ進学しました。
その後、システム開発会社へ就職し、現在はエンジニアとして働いています。
アルバイト経験から就職につながるケース
高校在学中や卒業後にアルバイトを経験し、そのまま就職につながるケースもあります。
社会との接点を少しずつ増やしていくことで、自信を取り戻していく人も少なくありません。
フリースクールで得られる経験は進路にも活きる
フリースクールでは学習だけでなく、さまざまな経験を積むことができます。
例えば、
- 自分で考える力
- コミュニケーション能力
- 自己表現力
- 問題解決能力
- 主体的に行動する力
といった力です。
これらは高校進学や大学受験、就職活動においても重要な力となります。
また、不登校を経験したことで自分自身と向き合う機会を得て、将来の目標が明確になる人もいます。
進路選びで大切なこと
フリースクール卒業後の進路を考える際には、世間一般の価値観だけで判断しないことが大切です。
例えば、
- 偏差値だけで学校を選ぶ
- 周囲と同じ進路を目指す
- 親の希望を優先する
といった考え方ではなく、その子に合った環境を選ぶことが重要です。
「どの進路が正しいか」ではなく、「どの進路ならその子らしく成長できるか」という視点を持つことが大切です。
まとめ
フリースクール卒業後の進路は決して限られていません。
通信制高校や全日制高校、定時制高校、高等専修学校への進学はもちろん、その先の大学進学や就職も十分に可能です。
近年は学び方や働き方が多様化しており、不登校経験やフリースクール利用経験が将来の大きなハンデになる時代ではなくなっています。
大切なのは、子どもが安心して学び、自分の可能性を広げられる環境を見つけることです。
進路選びに不安を感じたときは、フリースクールのスタッフや学校、進路相談機関などと連携しながら、その子に合った未来を一緒に考えていきましょう。