朝になるとお子さんが「学校へ行きたくない」と言い出したり、突然登校できなくなったりしたとき、多くの保護者は戸惑いや不安を感じます。
「このまま学校へ行けなくなったらどうしよう」「勉強が遅れてしまうのではないか」「将来に影響するのではないか」など、さまざまな心配が頭をよぎるでしょう。
しかし、不登校になった直後は保護者自身も冷静さを失いやすい時期です。そのため、焦って行動してしまい、結果的にお子さんをさらに追い込んでしまうケースも少なくありません。
不登校は決して珍しいものではなく、誰にでも起こり得ることです。そして、最初の対応次第でお子さんの心の状態や今後の回復過程に大きな違いが生まれることもあります。
この記事では、不登校になったときに親が最初にやるべきことや避けたい対応について詳しく解説します。
まず知っておきたい「不登校は珍しいことではない」
お子さんが不登校になると、「うちの子だけが特別な状況になってしまった」と感じる保護者も少なくありません。
しかし、現在の日本では不登校の児童生徒数は年々増加しており、決して珍しい問題ではなくなっています。
不登校になる理由もさまざまです。
- 友人関係の悩み
- いじめや人間関係のトラブル
- 勉強への不安
- 先生との相性
- 発達特性による生きづらさ
- 家庭環境の変化
- 心身の疲労やストレス
原因が一つとは限らず、複数の要因が重なっていることもあります。
まずは「不登校は特別なことではない」と理解し、必要以上に悲観しないことが大切です。
不登校になったときに最初に親がやるべきこと
不登校になった直後は保護者も動揺しやすい時期ですが、まずは次のことを意識してみましょう。
子どもの話を否定せずに聞く
不登校の初期段階では、子ども自身も大きな不安や葛藤を抱えています。
そんなときに、
- 「甘えているだけじゃないの?」
- 「みんな頑張って学校へ行っているよ」
- 「そんな理由で休むの?」
といった言葉をかけてしまうと、子どもは気持ちを話しづらくなってしまいます。
まずは理由を追及するよりも、子どもの話に耳を傾けることが大切です。
「つらかったんだね」
「話してくれてありがとう」
このような言葉だけでも、子どもは安心感を得られることがあります。
無理に学校へ行かせようとしない
保護者としては「何とか学校へ行かせたい」と考えるのが自然です。
しかし、不登校になったばかりの時期は心身ともに大きなエネルギーを消耗しているケースが少なくありません。
無理に登校を促したり説得したりすると、親子関係が悪化することもあります。
もちろん状況によっては短期間の欠席で戻れるケースもありますが、本人が強い苦痛を訴えている場合はまず休息を優先することが重要です。
子どもの安全と健康を確保する
不登校になると、生活リズムが乱れたり食欲が低下したりすることがあります。
まずは次のような基本的な生活を維持できるよう見守りましょう。
- 食事を取れているか
- 十分な睡眠を取れているか
- 体調に異変はないか
- 極端に落ち込んでいないか
勉強よりも先に、心と体の健康を回復させることが大切です。
親が焦らないために知っておきたいこと
不登校になると、多くの保護者は将来への不安を感じます。
しかし、不登校になった直後から進路や受験ばかりを心配しすぎる必要はありません。
回復には段階がある
不登校からの回復には一定のプロセスがあります。
一般的には次のような段階を経ることが多いとされています。
- 心身を休める時期
- 少しずつ元気を取り戻す時期
- 興味や関心が広がる時期
- 新しい活動に挑戦する時期
- 学校や社会とのつながりを再構築する時期
すぐに学校復帰を目指そうとすると、かえって回復を妨げることがあります。
まずは十分に休むことが必要なケースも多いのです。
勉強の遅れは後から取り戻せる
不登校になると学習面を心配する保護者は少なくありません。
しかし現在は学習方法が多様化しています。
- オンライン学習
- 家庭教師
- 学習塾
- フリースクール
- 通信制高校
など、学校以外にも学ぶ手段は数多くあります。
不登校になった直後から勉強の遅れを過度に心配する必要はありません。
まずは子どもの心の回復を優先しましょう。
不登校初期に避けたい親のNG対応
良かれと思って取った行動が、逆効果になることもあります。
原因をしつこく問い詰める
子ども自身も、なぜ学校へ行けないのか分かっていないことがあります。
そのため、
「理由を言いなさい」
「何があったの?」
と何度も問い詰めると、さらに追い詰めてしまう可能性があります。
本人が話したくなったタイミングを待つことも大切です。
他の子どもと比較する
「○○ちゃんは毎日学校へ行っているよ」
「みんな頑張っているのに」
と比較することは避けましょう。
比較されることで自己肯定感が下がり、自分を責めてしまう子どももいます。
将来の不安ばかりを伝える
保護者が不安になる気持ちは当然です。
しかし、
「このままだと高校へ行けないよ」
「将来困るよ」
といった言葉は、子どもにとって大きなプレッシャーになります。
不登校になったばかりの時期は、将来よりも現在の苦しさに目を向けることが大切です。
学校との連携も大切
不登校になった場合は、学校との関係を完全に断つ必要はありません。
担任の先生やスクールカウンセラーと連絡を取りながら、お子さんの状況を共有しておきましょう。
学校側もさまざまな支援制度を持っています。
- 別室登校
- 保健室登校
- スクールカウンセラー相談
- 教育支援センターの紹介
利用できる支援について情報を集めておくことも重要です。
フリースクールという選択肢もある
不登校が長期化した場合や、学校以外の居場所を探している場合にはフリースクールという選択肢もあります。
フリースクールでは、
- 学習支援
- 居場所づくり
- 体験活動
- 進路相談
- コミュニケーション支援
などを行っています。
学校復帰だけを目的とするのではなく、子どもが自分らしく過ごせる環境を提供していることが特徴です。
焦って利用を決める必要はありませんが、選択肢の一つとして知っておくと安心でしょう。
まとめ
お子さんが不登校になったとき、保護者が最初にやるべきことは「学校へ行かせること」ではなく、「子どもの気持ちに寄り添うこと」です。
まずは話を聞き、安心できる環境を整え、心と体を休ませることが大切です。
不登校は決して珍しいことではなく、回復には個人差があります。
焦って結果を求めるのではなく、お子さんのペースを尊重しながら少しずつ前へ進んでいきましょう。
そして必要に応じて学校や専門機関、フリースクールなどの支援を活用しながら、お子さんに合った環境を探していくことが大切です。