「フリースクールは小学生や中学生が通う場所」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
実際、フリースクールには不登校の小中学生が多く通っています。しかし、すべてのフリースクールが小中学生だけを対象としているわけではありません。高校生年代を受け入れている施設もあり、高校生が安心して過ごしたり、学習を進めたりするための場として利用されるケースもあります。
高校生の場合は、小中学生とは違って「高校卒業後の進路」や「単位・卒業資格」といった問題も関係してくるため、フリースクールを選ぶ際には少し違った視点が必要になります。
この記事では、高校生でも通えるフリースクールの特徴や、小中学生向けのフリースクールとの違い、高校生が利用する際に確認しておきたいポイントについて詳しく解説します。
高校生でもフリースクールに通える?
結論からいうと、高校生が利用できるフリースクールはあります。
ただし、すべてのフリースクールが高校生を受け入れているわけではありません。
フリースクールの対象年齢は施設によって異なり、
- 小学生から中学生までを対象としている施設
- 小学生から高校生年代まで受け入れている施設
- 中学生・高校生を中心に支援している施設
- 高校生以上を対象としている施設
など、さまざまなタイプがあります。
そのため、高校生がフリースクールを利用する場合は、まず対象年齢を確認することが大切です。
また、高校に在籍している生徒を対象とした施設と、高校に在籍していない若者も受け入れている施設では、サポート内容が異なる場合があります。
高校生がフリースクールを利用する主なケース
高校生がフリースクールを利用する理由はさまざまです。
高校に在籍しているものの、学校へ通えていない
高校に入学したものの、学校生活が合わず不登校になってしまうケースがあります。
例えば、
- クラスメイトとの人間関係に悩んでいる
- 学校の雰囲気が合わない
- 集団生活に強いストレスを感じている
- 朝起きることが難しくなった
- 勉強についていくことが難しい
といった理由です。
このような場合、在籍している高校をすぐに辞めるのではなく、フリースクールを居場所として利用しながら今後の進路を考える方法があります。
通信制高校に在籍しながら利用する
通信制高校は自宅学習が中心となるため、全日制高校と比べて自由な時間が多くなります。
一方で、「一人で勉強するのが難しい」「人と関わる機会が少ない」と感じる生徒もいます。
そのような場合に、通信制高校に在籍しながらフリースクールへ通い、学習や交流の機会を確保するという方法があります。
高校を中退した後に利用する
高校を中退した後、すぐに次の進路を決めるのが難しい場合もあります。
そのような場合に、フリースクールなどへ通いながら生活リズムを整えたり、将来について考えたりするケースがあります。
ただし、高校を中退した後にフリースクールへ通っても、それだけで高校卒業資格を取得できるわけではありません。
将来的に高校卒業資格が必要な場合は、通信制高校などへの再入学や編入学も含めて検討する必要があります。
小中学生向けフリースクールとの違い
高校生向けのフリースクールは、小中学生向けの施設と比べて進路や自立を意識した支援が多くなる傾向があります。
違い① 進路支援が重要になる
小学生の場合は、まず安心して過ごせる居場所を作ることが重要になるケースが多いでしょう。
中学生になると高校進学が視野に入り、高校生になると大学、専門学校、就職など、より具体的な進路を考える必要があります。
そのため高校生向けのフリースクールでは、
- 大学進学相談
- 専門学校への進学相談
- 就職に向けた支援
- 資格取得のサポート
- キャリア相談
などが用意されている場合があります。
違い② 学習内容がより専門的になる
高校生の場合は、単に「学校の勉強をする」だけではなく、大学受験や資格取得など具体的な目標に向けた学習が必要になる場合があります。
そのため、フリースクールを選ぶ際には、どの程度の学習支援を受けられるかを確認しておくことが重要です。
特に大学進学を考えている場合は、大学受験対策まで対応できるかどうかを確認しておきましょう。
違い③ 自立を意識した活動が増える
高校生になると、将来社会へ出ていくことも意識する必要があります。
そのため、施設によっては、
- アルバイト体験
- 職業体験
- 地域活動
- 資格取得
- パソコンスキルの習得
など、社会生活につながる活動を行っています。
小中学生向けのフリースクールでは「安心して過ごすこと」が中心だったとしても、高校生向けでは「将来に向けた準備」という視点が加わることがあります。
高校生がフリースクールを利用するメリット
高校生がフリースクールを利用することには、さまざまなメリットがあります。
学校以外の居場所を確保できる
高校生活に馴染めず不登校になった場合、自宅にいる時間が増えてしまいます。
すると、人と話す機会が減り、社会とのつながりも薄くなることがあります。
フリースクールに通うことで、家族以外の人と交流する機会を持てるようになります。
自分のペースで学べる
学校の授業についていけなかったり、勉強そのものに苦手意識を持っていたりする場合でも、フリースクールなら自分のペースで学習できることがあります。
一斉授業では難しかった内容も、個別に取り組むことで理解しやすくなる場合があります。
将来について考える時間を持てる
高校生の時期は、進学や就職など将来を決める重要な時期です。
しかし、学校生活に悩んでいる状態では、落ち着いて将来について考えることが難しい場合もあります。
安心できる環境を確保することで、少しずつ自分が興味を持てることや、将来やってみたいことを考えられるようになる場合があります。
高校生がフリースクールを選ぶときの注意点
高校生の場合、小中学生以上に「その施設で何ができるのか」を確認する必要があります。
高校卒業資格を取得できるかを確認する
最も重要なのが、高校卒業資格の扱いです。
フリースクールは学校教育法上の高等学校ではないため、フリースクールへ通うだけで高校卒業資格を取得できるわけではありません。
現在高校に在籍している場合は、在籍校での単位取得や卒業要件を確認する必要があります。
また、高校を中退している場合は、通信制高校など別の教育機関への進学・編入を検討する必要があります。
在籍高校との連携があるか
高校に在籍したままフリースクールを利用する場合は、学校との連携が重要です。
例えば、
- 学習状況を共有できるか
- 学校との連絡をサポートしてもらえるか
- 進級や卒業について相談できるか
- 出席の取り扱いについて相談できるか
などを確認しておくと安心です。
大学進学や就職に対応しているか
高校卒業後の進路を考えている場合は、施設の進路支援についても確認しましょう。
大学受験を目指すのか、専門学校へ進むのか、就職するのかによって必要なサポートは変わります。
「高校生も利用できます」というだけでなく、卒業後まで見据えた支援があるかどうかを確認することが大切です。
高校生に向いているフリースクールとは?
高校生がフリースクールを選ぶ場合は、「自分に合っているか」という視点が特に重要です。
例えば、
- 高校生の受け入れ実績がある
- 高校生年代の利用者が多い
- 進路相談に対応している
- 学習支援が充実している
- 本人の自主性を尊重している
といった施設は候補にしやすいでしょう。
反対に、小学生が中心の施設では、本人が年齢差を感じてしまう可能性もあります。
「高校生も利用できるか」だけでなく、「高校生が過ごしやすい環境か」まで確認することが大切です。
オンライン型のフリースクールも選択肢
外出すること自体が難しい高校生の場合は、オンライン型のフリースクールも選択肢になります。
パソコンやタブレットを使って学習したり、オンラインでスタッフや他の利用者と交流したりすることができます。
まずはオンラインから人とのつながりを作り、状態が落ち着いてから通学型の施設へ移行するという方法もあります。
無理に「高校生らしい生活」を目指さなくてもよい
高校生になると、「毎日学校へ行って勉強し、友達と過ごす」という生活が当たり前だと考えてしまうかもしれません。
しかし、不登校になったからといって、すぐに元の生活へ戻さなければならないわけではありません。
まずは安心できる環境で生活し、その中で少しずつ自分の興味や将来について考えていくことも大切です。
「今すぐ学校へ戻れるか」だけではなく、「これからどのように成長していきたいか」という視点で進路を考えてみましょう。
まとめ
高校生でも利用できるフリースクールはあります。
小中学生向けのフリースクールと比べると、高校生向けの施設では進路支援や学習支援、資格取得、就職など、将来の自立を意識したサポートが充実している場合があります。
一方で、高校生の場合は高校卒業資格や単位、進級・卒業などの問題もあるため、フリースクールを選ぶ際にはその点をしっかり確認する必要があります。
特に現在高校へ在籍している場合は、フリースクールだけでなく在籍高校との関係も含めて今後の進路を考えることが大切です。
高校生活がうまくいかなくなったとしても、そこで将来の可能性がなくなるわけではありません。
フリースクールや通信制高校、オンライン学習、専門学校など、現在はさまざまな学び方や進路があります。
お子さん本人の気持ちや状態を大切にしながら、無理なく学び続けられる環境を探していきましょう。